Windows 11でVPNを使い始めるときは、サービスの契約だけでなく、接続設定を読み込むクライアントも必要です。Clash Vergeは、サブスクリプションURLからプロファイルを追加し、接続先や通信ルールを選んで使うWindows向けクライアントの一つです。アプリを入れただけでは通信は切り替わらないため、プロファイルの登録、接続モードの確認、ブラウザーでの接続テストまで進めましょう。
画面の項目名や配置はClash Vergeのバージョンによって異なることがあります。また、サービス側が提供する設定形式やプロトコルに、クライアントが対応している必要があります。以下では、初めて設定する人が迷いやすい点を含め、確認順に説明します。管理対象のPCでは、組織のネットワークポリシーに従ってください。
Clash Vergeを入れる前に確認すること
最初に、利用するサービスのアカウントとサブスクリプションURLを用意します。サブスクリプションURLは、接続先やルールなどの設定をクライアントへ取り込むためのリンクです。アプリのインストーラーや、Windowsのライセンスキーではありません。URLを登録すると、利用できる回線や設定情報がクライアントに読み込まれます。
ソフトウェアは、Clash Vergeの公式配布元またはサービスが案内する配布ページから入手してください。検索結果の広告や、出所が分からない再配布サイトから実行ファイルをダウンロードするのは避けましょう。Windows Defenderなどが警告を出したときは、警告を無効化する前に、ファイルの入手元と発行元情報が想定どおりかを確認します。管理者権限を求める画面が出た場合も、実行しているファイル名と用途を確かめてから判断してください。
また、サブスクリプションがClash系の設定形式を提供しているか確認します。Shadowsocks、VMess、Trojan、Hysteria2などのプロトコル名が案内に記載されていても、クライアントのバージョンや同梱コアがその設定に対応しているかは別の確認事項です。URLを読み込めないときは、すぐに別のソフトを重ねて使うのではなく、サービス側の対応クライアントと設定形式を確認しましょう。
4段階
基本の設定手順
2種類
主な通信モード
1つ
まず使うクライアント
ここで示す段階数やモード数は、設定の流れを整理するためのものです。実際に画面に表示される項目数や利用可能なモードは、ソフトウェアの版と設定によって変わります。
Windows 11にClash Vergeを導入する
配布元からWindows向けのインストーラーを取得し、ダウンロードが完了したらファイル名と保存場所を確認して起動します。インストール画面に表示される案内に沿って進み、完了後にClash Vergeを開きます。Windowsの保護機能が実行を止めた場合は、配布元を確認できないまま強制的に続行しないでください。組織のPCでインストール権限がない場合は、管理者に確認します。
初回起動時には、ネットワーク設定の変更や補助コンポーネントの許可を求められる場合があります。Clash Vergeは設定に応じてWindowsのシステムプロキシを切り替えたり、仮想ネットワークインターフェースを用いるTUNモードを使ったりします。表示された許可がどの機能に必要なのかを読み、クライアントの説明と照らし合わせてください。通常の接続設定と無関係な権限まで一括して許可する必要はありません。
インストール後、Windowsの「設定」から「ネットワークとインターネット」を開き、プロキシ設定を確認できる状態にしておくと、接続前後の変化を把握しやすくなります。画面名はWindowsの更新状況によって多少異なることがあります。設定を変更する前に、現在の状態を覚えておくか、画面を控えておくと、切断後に通常のネットワークへ戻ったか確認しやすくなります。
- ✅ 配布元とファイル名を確認してからインストーラーを実行する。
- ✅ 権限の確認画面では、Clash Vergeの機能と要求内容が一致しているか読む。
- ✅ 最初の接続テストでは、ほかのプロキシアプリやVPNクライアントを終了する。
- ❌ 出所を確認できない実行ファイルや、用途が説明されていない証明書を安易に導入しない。
サブスクリプションURLを登録する
Clash Vergeを起動し、プロファイルまたはサブスクリプションを管理する画面を開きます。画面に「新規作成」「URLを追加」「インポート」などの項目があれば、サービスから受け取ったサブスクリプションURLを入力します。名前を付けられる場合は、用途や契約を後から見分けられる短い名前にすると管理しやすくなります。URLを登録したら、保存または更新を実行し、プロファイルが一覧に表示されるか確認してください。
URLはアカウント情報に結び付いた秘密情報として扱いましょう。公開チャット、掲示板、画面共有、第三者に渡すログへ貼り付けないでください。URLが漏れた可能性がある場合は、サービスのアカウント画面やサポート案内を確認し、必要な対処を行います。WindowsのブラウザーにURLを直接貼って設定を確認する必要はありません。読み込みに失敗した場合は、URLの前後に空白が入っていないか、有効なリンクをコピーしたか、サービス側で登録が完了しているかを確認します。
プロファイルの追加後、クライアントが設定を取得できたか確認します。読み込みエラーが表示される場合、URLの入力誤りのほか、通信環境、リンクの期限や更新方法、設定形式の非対応などが考えられます。原因を切り分けるため、まず通常のインターネット接続が使えるかを確認し、次にサービスの案内に従ってURLを再取得します。何度も別のURLを作成したり、内容を手作業で書き換えたりするのは避けましょう。
接続モードと接続先を選ぶ
プロファイルを読み込んだら、接続先を選びます。地域名や用途名が付いた項目は、サービス側の命名方法を示すもので、すべてのサイトやアプリで同じ結果になる保証ではありません。最初は一覧から一つを選び、接続を試して、必要なサイトやアプリが利用できるか確認しましょう。うまくいかない場合は、同じ設定を何度も切り替えるより、別の接続先を一つずつ試すと原因を整理できます。
Clash Vergeでは、一般にルールモードとグローバルモードを選べます。ルールモードは、読み込まれたルールに従って通信ごとに接続先を振り分けます。ローカル向け通信や指定されたサイトは直接接続となることがあります。グローバルモードは、クライアントが処理する通信を選択中のプロキシへ送る方式ですが、Windows上のすべての通信が必ず対象になるわけではありません。アプリがシステムプロキシに従うか、TUNが有効かなど、実際の処理範囲は設定によって異なります。
通常のWeb閲覧から始める場合は、まずルールモードで動作を確認する方法が分かりやすいでしょう。特定のアプリが接続されないときは、そのアプリがWindowsのシステムプロキシ設定を利用するかを確認します。より多くのアプリの通信を対象にする必要がある場合は、クライアントの説明を読んだうえでTUNモードを検討してください。TUNは仮想ネットワークインターフェースを通してIP通信を取り込む方式であり、システムプロキシと同じ仕組みではありません。
| 方式 | 通信の扱い | 確認する点 |
|---|---|---|
| ルールモード | プロファイルのルールに従い、通信をプロキシまたは直接接続へ振り分ける | 対象サイトがどのルールに一致するか、直接接続が設定されているか |
| グローバルモード | クライアントが処理する通信を、選択したプロキシへ送る設定 | アプリがシステムプロキシに従うか、対象範囲が設定どおりか |
| TUNモード | 仮想ネットワークインターフェースを通じてIP通信を取り込む方式 | 必要な権限、ルーティング、DNS、他のネットワークソフトとの競合 |
モード名だけで優劣を決めず、必要な通信がどの経路を通るかで選びましょう。TUNを使う場合も、複数のVPNや仮想ネットワーク関連ソフトを同時に動かすと、経路やDNSが競合することがあります。まずは一つのクライアントで基本動作を確認し、必要な機能だけを段階的に有効にしてください。
接続できたかWindows 11で確認する
接続ボタンを押した後、Clash Vergeの画面で接続状態に変化があるかを確認します。次に、普段使っているブラウザーで複数のページを開き、読み込みが完了するか試します。一つのサイトが表示されたことだけで、すべてのアプリの通信が切り替わったとは判断できません。仕事用のアプリ、ゲーム、更新ツールなど、用途ごとにプロキシ設定への対応が異なることがあります。
IP確認ページを使う場合は、ページの結果を接続モードとルールに照らして読みます。ルールモードでは、一部の通信を直接接続する設定があり、接続先の表示が想定どおりにならないことがあります。結果に違和感があるときは、確認に使ったブラウザーのプロキシ設定、選択中のルール、DNSの設定を順に見直してください。DNSリークなどの検査結果も、使用した検査方法と設定内容を踏まえて判断し、単一の表示だけで結論を出さないようにしましょう。
切断するときは、Clash Vergeで切断操作を行い、必要に応じてシステムプロキシをオフにします。その後、通常のWebページとローカルネットワークにアクセスできるか確認します。クライアント終了後も接続できない場合は、Windowsのプロキシ設定に以前の値が残っていないか、TUNや他のネットワークソフトが動作していないかを確認してください。設定を変更する前に控えた状態と比較すると、元に戻す場所を見つけやすくなります。
接続表示はクライアント内部の状態を示すもので、個々のサイトやアプリが目的どおり通信できることまで保証するものではありません。接続先、モード、実際に使うアプリを組み合わせて確認しましょう。
接続できないときは原因を順番に切り分ける
接続できないときは、設定を一度に複数変更せず、問題が起きている段階を特定します。プロファイルが読み込めないならURLやサービス側の形式、接続先を選んでも接続状態にならないならネットワークやコアの対応、接続表示はあるのに一部アプリだけ動かないならモードやアプリ側のプロキシ対応が確認候補です。Windows 11の更新、スリープからの復帰、Wi-Fiの切り替え後にだけ発生する場合は、クライアントを再起動して同じ条件で再確認します。
- ✅ 先に通常のインターネット接続が使えるかを確認し、問題が回線側かクライアント側かを分ける。
- ✅ プロファイルの更新状態、選択中の接続先、接続モードを一つずつ確認する。
- ✅ ほかのプロキシアプリを終了し、Windowsのシステムプロキシ設定とクライアントの表示を照合する。
- ❌ 原因を確かめずに、ファイアウォールやセキュリティ機能を無効化したり、証明書を追加したりしない。
エラーが続く場合は、発生した操作、Windowsのネットワーク環境、選んだモード、エラー文を整理して、サービスの案内に沿ってサポートへ問い合わせます。サブスクリプションURLやパスワードなどの認証情報は、問い合わせ内容やスクリーンショットから隠してください。詳細な切り分けが必要な場合は、排查手册を確認し、接続設定と端末側の問題を順に調べましょう。